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一般社団法人 産学技術協会

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分別集水マット設計施工管理事務局

効果の確認(排水能力、ゴミ遮断率、耐久性】

分別集水マットフィールド調査(東京都猿江恩賜公園)



フィールド試験:排水障害となる異物の流入の改善について

雨水の集排路の排水障害は堆積の仕組み→降水量が減ることで止まる異物の混入にある。解決するには異物の混入を防ぐことと異物の発生の原因を解決することが必要だ。
集水口のフィルタリング効果を極細にしてグレーチング上で、土砂、落ち葉、ゴミ、花弁、生物を止めることで、その集水口に係る負担と発生源の問題を見える化する。
1)試験目的: a.HDマット:極細分別能力/経年変化の確認。
      b.カールマット:空間維持能力/経年変化の確認。
2)試験方法:敷設後定期立ち合い観察(東京都建設局公園建設課維持管理)
3)試験場所:東京都猿江恩賜公園
4)試験期間:敷設日2017年11月08日 〜最終確認日・2020年07月14日
5)評価機関:東京都建設局公園建設課:
6)評価条件:HDマット10o×2枚、カールマット50oを雨水桝の深さ分全て充填。
7)評価:HDマットの極細分別集水化により土砂、落ち葉ゴミをグレーチング上で分別確保を確認。堆積物の種類を判別可能今まで流れ込んでいた土砂、ゴミ、落ち葉の量と発生源が特定できる。敷地内から雨水の排水路を通じてゴミの流出を阻止する事でSDGs11,12,14,15番に貢献。 カールマットの形状変化無、しかし試験期間は排水管内の小動物が存在していた為、通り道の穴をマットに開けた。敷設計画に当たり、他の経路から敷設場所に小動物が入り込めない対策を行うか、通り道を確保した敷設を選択する必要がある。
8)活用方法:発生源を見付け出し流出対策後、次回の同量の堆積確認または同じ確認間隔で堆積量の差を確認し流出対策の是非を検証する。季節性の堆積物(落ち葉、花弁等)は清掃人員の増減、又は間隔調整で効率を高めた計画が可能。尚、グレーチング上堆積物は周辺の清掃に合わせて行うが土砂の堆積が多い場所は発生源の流出改善対策が終わるまで清掃間隔を短くして対応する。 設計上の排水勾配や排水断面を維持できることを確認。東部公園緑地事務所に雨水の集排水路の排水障害の改善に有効な性能を確認したことを共有。                       
20220516確認書転記

HDマットで落ち葉、小石、ゴミ、砂利、砂、花弁、木の実、生物の流入を防ぐ。
   

写真-1 
分別集水マットは、グレーチング直下にグレーチング分別の約99%以下の細かい分別を担うHDマットと空間維持を担うカールマットを敷設し、雨水桝やU字溝への異物の流入を遮断する分別集水材です

図-1↓ 左既存U字溝、雨水桝断面 右分別集水マット敷設後のU字溝、雨水桝の断面


写真-2↓左側の赤枠は既存の雨水桝の泥だまりと横引き配管に異物の堆積を確認、右側はU字溝に分別集水マット敷設後の、雨が止んだ後グレーチングの上に異物を止め流入を防ぎ、内部に堆積物無を確認


 分別集水マットを敷設して至急排水障害を取り除くべき状態

写真-3↓ 排水障害を起こしているU字溝

 グレーチングが大きく重い      盗難防止のロックが付いている     小さく忘れられた?

 今まで二人居なくては動かせない重いグレーチングや、盗難防止のロックの付いたグレーチングの開閉に係る人員と日程が取れず、異物の流入と堆積物の処理が見逃され排水障害が起きています。それは何れすべてのグレーチングに拡大解釈され正常な状態を見付ける方が難しいと言えます。

分別集水マットを敷設した際の雨が止んだ後の集水口周辺

写真-4↑ 今まで雨水桝の中に雨水と共に流れ込んでいた異物がグレーチングの上で止まります。

重いグレーチングや、盗難防止ロックの付いたグレーチングの排水路内をあるべき姿に戻すためには、分別取水マットを敷設し平時のグレーチング内、及び上の清掃を下記の様に行う。

      青枠写真-5          黄枠写真-6          赤枠写真-7          目視でHDマット確認     目視で図−2の空間Aを    目視で落ち葉の腐葉土化を確認     メンテナンス不要       確認:維持する清掃     集水能力が低下する、改善必要

平時のグレーチング内、及び上の清掃:写真−4の雨が止んだ時に行う周辺道路のゴミの清掃と同時に、グレーチング内と上の掃き出し清掃を、図−2の空間Aを目視できる状態写真−5と写真−6の状態の中間位を目安に行う。集水口別に状況は違うがグレーチング上にある落ち葉を放置して、その上を踏み歩く時間が長いと写真−7の落ち葉の腐葉土化が進みやすい為、改善が必要。
 図-2

堆積物が入り易い集水口の掃き出し又はブロアーメンテナンスを減らすオプションのHDマット縦使い
写真-8



写真−9 各種集水口  花弁が多い場所  落ち葉が多い場所  砂が多い場


・集水口は負担する異物や量は周辺環境により違う、今までは異物を流入させていた為、何時どの位の量の何が流入していたかのデータが無い。今後は雨が止んだ日一つの基準日として、データを取り処理する。又同時に異物の発生源を特定して問題に応じた維持管理が可能になり、指定管理者が変わった際に注意カ所の引継ぎが合理的になる。  
・特に土砂が多く確認される場合には周辺に土砂が流れだす仕組みが出来ており、日々地面の形状が変化している危険な場所があると疑い、確認する注意力が高まる


 写真‐10 例@発生源:運動場の砂          写真‐11 例A発生源:木の根の土被り土


写真-10の例@ 既存のU字溝が土砂と落ち葉の堆積で排水路として機能していない。運動場の砂とタイルブロックの間に緩衝材が無い為、地面の勾配に合わせて常に砂がU字溝に流れ込む仕組みができている。分別集水マットを敷設した場合には流入が無くなり、グレーチング上で砂を確認毎に運動場に戻すメンテナンスが必要に成るが、減った砂を足す費用と作業は無くなる。
写真-11の例A 樹木は見える所の成長と同時に支える為の根が必要だが、根は他の木の影響や土の範囲があると深く伸ばせない為横に張り出す等で成長を支えている。長年で締まった根上の土被りを押し上げ細かい土砂に変え降雨と共に流れ出す。この状態の木は太さに見合った根入れが無い可能性が高く倒木し易い状態にある為注意ポイントに指定する等の安全を重視した維持管理が可能になる


分別集水マット 敷設の遮断性能により、蚊の出入が不可能になるため、蚊の繁殖抑制に伴う薬剤投入に係る経費が不要。又、薬害不安も無くなる。事の確認


出典元:衛生動物70巻3号:雨水桝への蚊絶滅マット(分別集水マット)の設置が蚊の個体群に与える影響
 https://www.jstage.jst.go.jp/article/mez/70/3/70_700306/_pdf/-char/ja

考察:ヒトスジシマカ成虫に対して も雨水桝への侵入と産卵を完全に遮断したと考えられる。



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